出エジプト40章
幕屋(聖所)の設置と、神の栄光が幕屋に宿る場面が描かれています。この章は、出エジプト記全体の締めくくりとして重要な役割を果たしており、イスラエルの民が神とともに旅を続ける準備が整ったことを示しています。
1. 幕屋の設置 (40:1-8)
神の指示: 神はモーセに、幕屋を第2年の第1月の1日に設置するよう命じます。
幕屋の組み立て: モーセは神の指示に従って、幕屋を組み立てます。具体的には、幕屋の枠、幕、覆いを設置し、契約の箱を幕屋の中に置き、箱の上に贖いの蓋(恵みの座)を置きます。次に、供えのパンの机を置き、その上にパンを並べます。純金の燭台を置き、その灯を点し、金の香の祭壇を設置し、香を焚きます。また、幕屋の入口に幕をかけ、焼き尽くす献げ物の祭壇を設置します。さらに、洗盤を置き、庭を囲む垣を立て、庭の入口に幕をかけます。
2. 聖別と奉納 (40:9-15)
幕屋と備品の聖別: 神はモーセに、注ぎの油を用いて幕屋とその中のすべてのものを聖別するよう命じます。これにより、幕屋とそのすべての備品が神聖なものとされます。
祭壇の聖別: 焼き尽くす献げ物の祭壇も聖別され、最も聖なるものとされます。
アロンとその子らの聖別: モーセはアロンとその子らを幕屋の入口に連れて行き、彼らを水で洗い、聖なる服を着せます。アロンには聖なる油が注がれ、彼の子孫が代々にわたって祭司として奉仕することが定められます。
3. 幕屋の完成と神の栄光 (40:16-33)
作業の完了: モーセは神が命じたすべての作業を完了します。幕屋が完成し、すべての備品が正しい場所に配置されました。
神の栄光の現れ: 幕屋が完成すると、雲が幕屋を覆い、神の栄光が幕屋に満ちます。モーセでさえも、その栄光のために幕屋に入ることができませんでした。
4. 神の導き (40:34-38)
雲と火柱: 幕屋の上にある雲は、昼間はイスラエルの民の旅路を導き、夜には火のように輝いて彼らを導きました。雲が幕屋から離れると、イスラエルの民はそれに従って旅を続け、雲がとどまると彼らもとどまりました。こうして、神の導きの下で、イスラエルの民は旅を続けました。
出エジプト記40章は、イスラエルの民が神の命令に従って幕屋を建設し、その結果、神の栄光が彼らの中に宿ったことを示しています。幕屋は、神がイスラエルの民とともにいることを象徴する場所であり、彼らが約束の地へと向かう旅路において、神の導きと保護を受けるための中心的な存在です。この章は、イスラエルの民が神との契約を果たし、神が彼らとともに歩んでいくことを示す、出エジプト記のクライマックスとなっています。
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