出エジプト35章
イスラエルの民が幕屋(聖所)の建設に向けて準備を整え、神の指示に従って奉仕する場面が描かれています。この章は以下のように分けられます。
1. 安息日の遵守 (35:1-3)
モーセはイスラエルの民を集め、神がシナイ山で与えた安息日についての戒めを再確認します。民は六日間働くことが許されますが、七日目は「主にとっての聖なる日」、すなわち安息日であり、仕事をしてはならないと強調されます。また、この日は火を焚いてはならないと指示されます。
2. 幕屋のための奉納 (35:4-9)
モーセは民に、幕屋の建設に必要な物資を自主的に奉納するように呼びかけます。奉納するべきものには、金、銀、青銅、青や紫の織物、山羊の毛、赤く染めた雄羊の皮、アカシア材、油、香、宝石などが含まれます。これは神に心から奉仕したいと思うすべての者に対しての呼びかけです。
3. 奉仕のために選ばれた職人 (35:10-19)
次に、モーセは幕屋のあらゆる仕事に携わる職人たちを募ります。彼らは幕屋、帳、覆い、柱、祭壇、香の祭壇、燭台、香料、供え物などを作るために召されています。これらの仕事には特別な技能と創意工夫が必要であり、神が選んだ者たちによって行われるべきものです。
4. 民の心からの奉納 (35:20-29)
イスラエルの民は、心からの奉納を行います。男女を問わず、すべての者が自発的に金、宝石、織物、毛皮、青銅、銀などを持ち寄り、幕屋の建設のために捧げました。すべての者が心を一つにして神の指示に従い、必要な物資を提供しました。
5. ベツァルエルとオホリアブの指名 (35:30-35)
モーセは神がベツァルエル(ユダ族)とオホリアブ(ダン族)を選び、彼らに知恵と技能を授けたことを民に伝えます。ベツァルエルは特に幕屋の設計と建設において優れた才能を持っており、オホリアブは彼を補佐する役割を果たします。彼らはあらゆる工芸品を作るための技術を持ち、その技術を他の者に教えることもできるようにされています。
出エジプト記35章は、イスラエルの民が心を一つにして神のために奉仕する様子を描いています。安息日の遵守の重要性が再確認され、幕屋の建設のために必要な物資の奉納と、職人たちの指名が行われます。民は心からの奉納を行い、神のために全力を尽くすことを示しています。この章は、信仰と奉仕が一体となり、神との契約を実践する場面を強調しています。
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