聖書(出エジプト記33章)紹介


出エジプト33章

イスラエルの民が金の子牛を作って神に背いた後の出来事について記されています。この章は以下のように分けられます。

1. イスラエルの民への神の命令 (33:1-6)

神はモーセに、イスラエルの民を約束の地カナンに導くよう命じます。しかし、神は「私はあなたたちと共に行かない」と告げます。これは、神が民の罪のゆえに彼らに怒っているからです。神が共に行くと、その怒りで彼らを滅ぼしてしまう恐れがあるため、神は使いを送って民を導くと述べます。
イスラエルの民はこの知らせを聞いて深く悲しみ、喪に服します。彼らは神の命令に従って、自分たちの飾りを取り去り、謙虚な心で神の前に立ちます。

2. モーセの天幕での神との対話 (33:7-11)

モーセは「会見の天幕」を宿営の外に立て、そこに入って神と対話をします。モーセが天幕に入るたびに、神の栄光が雲の柱として天幕の入口に現れます。神はモーセと顔を合わせて語り合うように、親密に対話します。イスラエルの民は天幕の入り口でこれを見守り、礼拝します。
また、この部分では、ヨシュアがモーセの従者として天幕に留まっていたことが記されています。

3. モーセの執り成しと神の約束 (33:12-17)

モーセは神に対して、「あなたが私に言われた通りに行動してほしい」と訴えます。モーセは、神が民と共に行くことが、彼らが他のすべての民族と区別されるしるしであると強調します。モーセの求めに応じて、神は「私の顔があなたと共に行く」と約束し、イスラエルの民に安息を与えると言います。

4. 神の栄光の顕現 (33:18-23)

モーセはさらに大胆に、神の栄光を見せてほしいと願います。神はモーセに対して、自分の善を彼の前に通り過ぎさせ、「主」という名を宣言するが、神の顔を直接見ることはできないと告げます。神の栄光を見ることは非常に恐ろしいため、神はモーセを岩の裂け目に置き、手で彼を覆って通り過ぎます。その後、神は手を取り除き、モーセは神の背中を見ることが許されます。

出エジプト記33章は、金の子牛の事件後におけるイスラエルの民と神との関係の回復が描かれています。モーセは、神の臨在が民と共にあることの重要性を強調し、神もその求めに応じて臨在を約束します。最後に、モーセが神の栄光を求め、それに対する神の応答が記されています。この章は、モーセのリーダーシップと神の慈悲深さを強く示しています。



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