出エジプト25章
神がモーセに対して幕屋(タバーナクル)とその備品の詳細な設計指示を与える場面が描かれています。幕屋はイスラエルの民が荒野での旅の間、神を礼拝し、神の臨在を感じるための聖なる場所です。この章では、特に契約の箱、供えのパンの机、そして灯台の作り方について具体的な指示が与えられています。
1. 幕屋のための奉納 (25:1-9)
奉納の呼びかけ: 神はモーセに、イスラエルの民に対して奉納物を集めるよう命じます。奉納物としては、金、銀、青銅、青紫色、赤紫色、緋色の糸、細布、山羊の毛、赤く染めた雄羊の皮、アカシア材、香料、オリーブ油、宝石などが含まれます。
幕屋の建設: これらの奉納物を使って、神が住まう聖所、すなわち幕屋を建てるよう命じられます。また、モーセには幕屋とその備品を神が示す型に従って作るよう指示が与えられます。
2. 契約の箱 (25:10-22)
箱の設計: アカシア材で長さ2.5キュビト、幅1.5キュビト、高さ1.5キュビトの箱を作ります(1キュビトは約45センチ)。箱の内側と外側には純金をかぶせ、四隅には金の輪を取り付けます。この輪にはアカシア材で作り金をかぶせた棒を通し、箱を運ぶ際に使います。
贖いの蓋(アカシアの蓋): 契約の箱の上には、純金で作られた贖いの蓋を置きます。この蓋の両端には金で作られた二つのケルビムを配置し、ケルビムの翼を広げて蓋を覆うようにします。ケルビムは顔を互いに向け、その視線は贖いの蓋に向けられます。
神との出会いの場: 神はこの贖いの蓋の上、ケルビムの間からモーセに語り、イスラエルの民に対する命令を与えるとされています。
3. 供えのパンの机 (25:23-30)
机の設計: アカシア材で長さ2キュビト、幅1キュビト、高さ1.5キュビトの机を作ります。この机も内側と外側に純金をかぶせ、その周囲に金の縁を作ります。さらに、四隅には金の輪を取り付け、運搬用の棒を通します。
備品と供え物: 机には純金で作られた皿、杯、瓶、鉢を置きます。これらの器具は供えのパンを捧げるために使われます。供えのパンは常に神の前に置かれているべきとされています。
4. 金の灯台(メノーラー) (25:31-40)
灯台の設計: 純金で作られた一つの灯台(メノーラー)を作ります。灯台には一つの幹があり、その両側に三本ずつ、計六本の枝が出ています。これらの枝と幹にはアーモンドの花の形をした装飾が施されています。
灯火: 灯台には七つの灯火を設置し、その灯火が周囲を照らすようにします。灯台とその備品(灯皿や芯切り鋏など)もすべて純金で作られます。
設計図の遵守: 神はモーセに、これらの物を作る際には山で示された設計図に従うように命じます。
出エジプト記25章は、幕屋とその内部の主要な器具の詳細な設計指示を通じて、神とイスラエルの民との関係の物理的な象徴を示しています。幕屋は神の臨在を象徴する場所であり、契約の箱、供えのパンの机、そして灯台は、イスラエルの信仰生活において非常に重要な役割を果たします。
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