聖書(出エジプト記16章)紹介


出エジプト16章

イスラエルの民がエジプトを脱出し、荒野を旅している間に、食糧不足に直面し、神がマナとウズラを与えて彼らを養う場面が描かれています。この章は、神の供給と民の信仰についての重要な教えを含んでいます。

食糧不足への不満(1-3節)

イスラエルの民は、エリムを出発し、シンの荒野に入ります。エジプトを出てから2か月目に入った頃、彼らは食糧がなくなり、モーセとアロンに対して不満を述べます。彼らは、エジプトではパンがあり、肉も食べられたのに、荒野では飢え死にしそうだと言い、エジプトに留まっていた方が良かったとさえ言います。

神の供給の約束(4-12節)

主はモーセに、イスラエルの民に天からパンを降らせると告げます。この「天からのパン」は、後にマナと呼ばれるものです。神は毎朝必要な分だけを集めるように命じ、6日目には2倍の量を集め、7日目の安息日には働かないようにと指示します。これを通して、神は民が自分の指示に従うかどうかを試みようとしています。

マナとウズラの供給(13-21節)

夕方になると、ウズラが大量に飛来し、民は肉を得ます。また、朝になると露が地面を覆い、その後に小さく白いものが残ります。これがマナであり、民はこれを食べることで飢えをしのぎます。マナは蜂蜜を混ぜた薄焼きパンのような味がしました。モーセは、一人一人が一日分ずつ必要な分だけを集めるように命じますが、一部の者は余分に集めてしまい、翌日になるとそれは腐って虫が湧きます。

安息日の規定(22-30節)

6日目には、神が命じた通り、イスラエルの民は2倍の量を集め、7日目に備えます。モーセは、7日目には何も集めることができないため、集めたものを残しておくよう指示します。この日にはマナは腐らず、民は安心して安息日を守ることができました。しかし、一部の者は7日目に集めに出かけますが、何も見つけることはできませんでした。神は安息日を守るようにと命じ、モーセはこれを強調します。

マナの保存と荒野での供給(31-36節)

イスラエルの民は、この食べ物を「マナ」と呼びました。モーセは、神が命じた通り、1オメル(約2リットル)のマナを壺に入れ、世々にわたって保存するよう命じます。これは、後の世代が神の供給を記憶するためです。イスラエルの民は、40年間、荒野を旅する間、カナンの地に入るまでマナを食べ続けました。

出エジプト記16章は、荒野での生活におけるイスラエルの民の信仰の試練と、神の供給についての物語です。イスラエルの民は食糧不足に直面し、神に対して不平を述べますが、神は天からマナとウズラを与えて彼らを養います。この章を通じて、神が日々必要なものを供給するという信仰と、安息日を守る重要性が強調されています。マナは、神の絶え間ない供給と信頼性の象徴となり、後にイスラエルの歴史において重要な意味を持つようになります。



関西聖書学院  聖書ガイド索引ページ  出エジプト記索引ページ