聖書(出エジプト記15章)紹介


出エジプト15章

イスラエルの民が紅海を渡り、エジプト軍から救われた後の出来事が記されています。この章は、「モーセの歌」として知られる賛歌で始まり、イスラエルの民が神の偉大な救いを喜び祝う内容です。また、彼らがその後旅を続ける様子も描かれています。

モーセとイスラエルの民の賛歌(1-21節)

この賛歌は、神が紅海でエジプト軍を滅ぼし、イスラエルの民を救ったことに対する感謝と賛美を表現しています。賛歌の内容は以下の通りです。

神の力と勝利(1-10節)

モーセは、主が馬と騎手を海に投げ込み、イスラエルの民を救ったことを称賛します。主は力強い戦士であり、エジプト軍を滅ぼすためにその力を示しました。神の息吹によって水が立ち、敵が海に沈んだことが歌われています。

神の無敵の力(11-13節)

モーセは、神の比類なき力と栄光を賛美し、神の愛によってイスラエルの民が導かれることを歌います。

将来の予言(14-18節)

モーセは、他の国々がこの出来事を聞いて恐れおののき、イスラエルの民が神によって約束の地に導かれることを歌います。神が彼らをカナンの地に連れて行き、そこに永遠に住まわせることを信じる内容です。

ミリアムと女性たちの賛美(19-21節)

モーセの姉妹ミリアムはタンバリンを持って歌い、他の女性たちも一緒になって踊り、主の勝利を祝います。ミリアムは、「主を歌え。彼は高くあがめられる。馬と騎手を海に投げ込まれた」と歌います。

マラでの苦い水(22-27節)

イスラエルの民は紅海を渡った後、シュルの荒野を進みますが、3日間水を見つけることができませんでした。彼らがマラという場所にたどり着いたとき、水はありましたが飲むことができないほど苦かったため、人々はモーセに不満を述べます。

モーセが主に祈ると、主は一本の木を示し、その木を水に投げ入れると水が甘くなり、飲むことができるようになりました。ここで主は、イスラエルの民に対して、主の命令に従うならば、エジプト人に下された災いをイスラエルには下さないと約束します。さらに、彼らがエリムに到着し、そこには12の水の泉と70本のなつめやしの木があり、そこで宿営したと記されています。

出エジプト記15章は、イスラエルの民が紅海での奇跡的な救いを神に感謝し、賛美する場面から始まります。この賛歌は神の力と栄光を高らかに歌い上げ、イスラエルの民が神によって導かれ、守られていることを強調しています。その後、荒野での試練が描かれますが、神の介入によって問題が解決され、神の信頼性と保護が再確認されます。この章は、イスラエルの民の信仰の歩みと神の忠実さが強調された内容となっています。



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