聖書(創世記30章)紹介


創世記30章


ヤコブの家族がさらに大きくなる過程と、彼がラバンのもとで富を築く過程が描かれています。この章では、ヤコブの妻たちとの間に多くの子供が生まれること、そしてヤコブがラバンとの間で財産を得るための策略を用いる様子が語られています。

ラケルとレアの競争

ヤコブの妻であるラケルは、自分が子供を産めないことで深く悩み、ヤコブに「私に子供をください。さもなければ私は死にます」と訴えます。ヤコブは怒りを感じつつも、ラケルに「私が神に代わることができるか?」と答えます。

ラケルは自分の侍女ビルハをヤコブに妻として与え、ビルハを通じて子供を得ようとします。ビルハはヤコブとの間に二人の息子を産みます。彼らはダンとナフタリと名付けられます。

一方、レアも自分の侍女ジルパをヤコブに妻として与え、ジルパを通じて二人の息子を得ます。彼らはガドとアシェルと名付けられます。

レアとラケルの新たな子供たち

レアは神に再び祝福され、自らの体でさらに二人の息子を産みます。彼らはイッサカルとゼブルンと名付けられます。また、レアは娘ディナを産みます。

その後、神はラケルを憐れみ、彼女の胎を開きます。ラケルは息子ヨセフを産み、「神が私の恥を取り去られた」と言い、その子をヨセフと名付けます。

ヤコブがラバンのもとを去る準備

ヨセフが生まれた後、ヤコブはラバンに対し、自分の家に帰る許可を求めます。ラバンはヤコブが自分のもとにいる間に神の祝福があったことを認め、ヤコブに残るように頼みます。ヤコブは報酬として、斑点のある羊やヤギ、黒い羊を自分のものとして受け取るように提案します。

ヤコブの策略と富の増加

ヤコブは、特定の木の枝を使って羊やヤギが交配する際にそれを見せるという策略を用い、斑点のある家畜や黒い羊を多く生ませます。この方法により、ヤコブは非常に多くの家畜を手に入れ、彼の富は急速に増加します。

ヤコブの策略は成功し、彼はラバンのもとで大いに富を得ますが、この成功はラバンや彼の息子たちの間に嫉妬と不満を引き起こします。

創世記30章は、ヤコブが神の祝福を受けて家族と財産を増やす過程を詳細に描いています。この章では、子供を産むことの重要性と、家族内での競争が強調されています。また、ヤコブの策略と知恵を通じて、彼がどのようにしてラバンのもとで富を築いていったかが示されています。これらの出来事は、ヤコブが後にイスラエルの十二部族の父となる過程において重要な要素となります。



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