創世記29章
ヤコブがハランに到着し、そこでリベカの兄ラバンの家族と関わる出来事が中心に描かれています。特に、ラバンの娘たちであるレアとラケルとの結婚の経緯や、ヤコブの奉仕に関する物語が語られています。
ヤコブがラケルと出会う
ヤコブはハランに到着し、井戸のそばで羊飼いたちに出会います。彼らにラバンのことを尋ねると、ちょうどラバンの娘ラケルが羊を連れて井戸に来たところでした。ヤコブはラケルを見てすぐに彼女に恋をします。彼は井戸の石を動かしてラケルの羊に水を飲ませ、その後、彼女に自分がリベカの息子であることを伝えます。ラケルは喜んで家に帰り、この知らせを父ラバンに伝えます。
ヤコブがラバンの家に滞在する
ラバンはヤコブを歓迎し、彼がラバンの家に滞在することを許します。1か月後、ラバンはヤコブに「ただで働いてもらうのはよくない。あなたの報酬は何がよいか?」と尋ねます。ヤコブはラバンの娘ラケルを愛していたので、彼女と結婚するために7年間仕えることを申し出ます。ラバンはこれを了承し、ヤコブはラケルのために7年間働きます。
ヤコブの結婚とラバンの欺瞞
7年間が過ぎ、ヤコブはラバンにラケルとの結婚を求めます。ラバンは結婚の祝宴を開きますが、夜になるとラケルではなく、彼の姉レアをヤコブに妻として与えます。ヤコブは翌朝、ラバンに騙されたことに気づき、怒りをぶつけます。ラバンは「この土地では妹を姉より先に嫁がせることはできない」と説明し、ヤコブにラケルと結婚するためにはさらに7年間仕えるように提案します。ヤコブはこれに同意し、ラケルも妻として迎えます。
ヤコブの二人の妻とその子供たち
ヤコブは二人の妻、レアとラケルを愛しますが、ラケルを特に愛していました。神はレアが愛されていないことを見て、彼女の胎を開きますが、ラケルは子供を産むことができませんでした。レアは4人の息子を次々に産みます。彼らの名前は、ルベン、シメオン、レビ、ユダです。
創世記29章は、ヤコブがハランで新たな家族を築く過程を描いており、後にイスラエルの十二部族を形成する子供たちの誕生が始まる重要な章です。ヤコブはラバンの欺瞞により困難な状況に直面しますが、最終的には彼の忍耐と愛が実を結びます。また、ヤコブの結婚と家族関係は、後のイスラエルの歴史においても重要な影響を与えるものとなります。レアとラケルの間に生まれる子供たちは、後にイスラエルの十二部族の祖となり、彼らの物語はこの章から始まります。
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