創世記25章
アブラハムの晩年とその子孫についての記述が中心となっている章です。この章には、アブラハムの再婚、死、イサクとイシュマエルの子孫、そしてイサクの子ヤコブとエサウに関する出来事が含まれています。
アブラハムの再婚と子孫
アブラハムは妻サラの死後、ケトラという女性と再婚し、彼女との間に6人の子供をもうけます。彼らの名前はジムラン、ヨクシャン、メダン、ミディアン、イシュバック、シュアであり、彼らはそれぞれ独自の家系を形成しました。しかし、アブラハムは遺産のほとんどをイサクに与え、他の子供たちには贈り物を与えてから彼らを東方の地へ送り出しました。
アブラハムの死
アブラハムは175歳で死去し、息子たちイサクとイシュマエルによってマクペラの洞穴に葬られました。この洞穴は、アブラハムが妻サラを葬った場所でもあり、彼の最初の土地の所有地です。アブラハムは、神との契約に従い、イサクを通じて祝福されることが約束された子孫の父となりました。
イシュマエルの子孫
イシュマエルの子孫についても記されています。彼は12人の息子をもうけ、これらの息子たちはそれぞれ独自の部族を形成しました。彼らは、アヴィラからシュルまで広がる地域に住み、これがイシュマエルの末裔として知られています。イシュマエルは137歳で死去しました。
イサクの家族
イサクはリベカと結婚しましたが、しばらくの間、子供ができませんでした。イサクは神に祈り、リベカが妊娠することができました。リベカの胎内には双子がおり、彼らが生まれる前から互いに争っていました。神はリベカに、「二つの国民があなたの胎内にあり、一つの国民がもう一つの国民に勝つ」と告げます。
ヤコブとエサウの誕生
リベカは双子を出産し、兄エサウは体が赤く、毛深い赤ん坊として生まれました。弟ヤコブは、エサウのかかとをつかんで生まれたため、「ヤコブ」と名付けられました。エサウは野外で狩りをすることを好み、ヤコブは穏やかで家にいることが多かったため、イサクはエサウを、リベカはヤコブを特に愛しました。
長子の権利の売買
エサウは狩りから帰って非常に空腹だったため、ヤコブが煮ていたレンズ豆のスープを欲しがります。ヤコブは、そのスープと引き換えにエサウの長子の権利を求め、エサウはその要求を受け入れます。こうして、エサウは自分の長子の権利を軽んじ、ヤコブに譲ることになりました。
創世記25章は、アブラハムの死と彼の家系の継続を描いており、特にヤコブとエサウの物語は後にイスラエルの歴史において重要な役割を果たします。エサウが軽んじた長子の権利は、神の計画によってヤコブに継承され、後にイスラエルの民を導くことになります。この章は、神の選びと計画がどのように進行していくかを示しています。
関西聖書学院
聖書索引ページ
創世記索引ページ